加圧トレーニングと言ったら成長ホルモン
お茶の間に加圧トレーニングの話題が届く時には、大抵この「成長ホルモン」がセットになっています。
平スポ石井です
そもそも成長ホルモンってなんでしょう?
文字通り、身体を成長させるホルモンで、主に筋肉・骨・内臓などを成長させる作用を持ちます。一方で脂肪を分解する作用もあるので、
加圧トレーニング→成長ホルモン→痩せる
などという、バカな誤解を生んだり、バカな説明をする指導者も多くいるのが事実です。
成長ホルモンは、脂肪を分解する作用は確かに持っていますし、特にお腹周りの脂肪を顕著に分解する事も知られていますが、残念ながら「燃焼させる」ホルモンではないので、ただ加圧だけやっていれば痩せるなんて事は、絶対にありません。確かに重要なファクターの一つではありますが・・・
が、今日の話はこれが本題ではありませんので、それについてはまた後日。
さて、成長ホルモンは、大抵成長期にピークを迎え、年齢を重ねるごとに分泌量が減っていきます。
その為、成長ホルモンは若さを保つだとか、若返りホルモンなどともてはやされ、「成長ホルモン補充療法」なる成長ホルモンを注射で打っちゃいましょう的な物まで巷にはあります。
さて、加圧トレーニングと成長ホルモンについてなのですが、
過去の実験の中で「成長ホルモンが290倍」分泌されたという事がありまして、
それ以来、成長ホルモン300倍なんて宣伝文句が、
全国各地の加圧トレーニング施設のホームページやチラシなどに踊っている訳です。
でもね・・・
実は、この成長ホルモン300倍が記録されたのは1998年の日本体力医学会での発表。
それから既に時は10年以上経っています。
そして、沢山の加圧トレーニングの研究が行われ、その度に血中成長ホルモンの濃度も測られていますが、いまだ、その290倍を抜く実験が無いばかりか、150倍以上を記録するものも、殆んど無いのが事実なのです。
つまり、成長ホルモンを出す事に関しては、進歩していないばかりか、場合によっては退化しています。
成長ホルモンをそれだけ分泌させるのは、やはりコツみないな物が必要で、僕が予想するに、世の中の加圧トレーニングを行っている方で、100倍以上の成長ホルモンを出せている人はたぶん、一握りなのではないかと思います。
200倍以上は皆無に近いでしょう。まあ、これは指導者側の問題なのですが、正しくやれば、100歳を超えた高齢者でも100倍以上の成長ホルモンを記録した例もあるようですので、やはり指導者は選びたいものです。
ちなみに、インターバルが短く、強度が高いトレーニング(もちろん加圧なし)を行っても成長ホルモンは100倍程度出ます。
だから、ボディビルダーやスプリント系種目を行っている選手の日常トレーニングの方がよっぽど、成長ホルモンに関しては出ている場合が多いのです。
じゃあ、加圧トレーニングのメリットってないの?って聞かれたら、そんな事はありません!
加圧ベルトを捲いてウォーキングするだけで、成長ホルモンも10~30倍程度分泌されますし、筋肥大しますし、筋力も増強します。
強度の高い運動の出来ない高齢者や、何らかの理由で運動強度を上げる事が出来ない人には、これ以上無いトレーニングです。
だって、通常では体力の現状維持する事すら難しい「歩行」程度の負荷でも、身体を向上させる事が出来るのですから。
そして、中には、そんなに成長ホルモンが出すぎると副作用が・・・なんて勘違いしている人もいますが・・・
加圧トレーニングで成長ホルモンがと言っても、せいぜい40ng/ml程度です。
しかも、一過性に上昇するだけで、24時間後には元のレベルに戻ります。
とても、巨人症や末端肥大症を起こすようなレベルの量ではありませんので、ご安心下さい。
日常の振れ幅程度です。
加圧学会でも、それを質問するドクターが沢山いらっしゃいますので、一応・・・
じゃあ、加圧トレーニングにメリットってないの? 加圧で痩せるって聞いたんだけど???
って思う方が沢山いらっしゃいますよね。
それについては、また次の機会にでも
平塚スポーツケアセンター
0463-25-4871
以下のブログも見てください!
海老名加圧スタジオANS専用ブログ
海老名の隠れ家的トレーニングジムANS
キレイになりたい方は必見、女性理学療法士Toyoのブログ
アスリート系女性理学療法士の『健康美』
Author Profile
- Twitter:@hiraspo
- 1969年静岡県伊東市生まれ
静岡大学教育学部卒業
呉竹鍼灸専門学校卒業
針師・灸師・あん摩マッサージ指圧師
NSCA CSCS
小学校教員免許状
中学校保健体育教員免許状
加圧トレーニング特定資格者・加圧トレーニングスペシャリスト
スキンストレッチ本部メイン講師
ケトジェニックアドバイザー
ライフキネティックパーソナルトレーナー
ほか・・・
静岡大学在籍時、「資格」も「技術」も「コネ」もない状態にもかかわらず
「オリンピックに選手を連れていく!」と豪語。
当時珍しい学生トレーナーの先駆者となるが、医療国家資格を持たない者が、選手の身体を触るのがご法度であった当時、テーピングを巻くどころかパートナーストレッチをする程度でも「あいつは資格を持っているのか?」と陰口をたたかれ、資格を取る事を決意。
大学卒業後、鍼灸マッサージの専門学校へ通う。
専門学校在学中に、スポーツ界では「応急処置や緊急時に資格なんていってられないだろ」という風潮が高まり、そこから済し崩し的に、卒業時には「誰でも」選手の身体を触ってもよい様な状況になっていた。
そんな状況でも、大学時代に専攻していたバイオメカニクスと手技療法を組み合わせた独自の手法が評判を呼び、「本当に信頼できる身体のスペシャリスト」と多くのアスリートから信頼を獲得、1996年のアトランタ五輪より5大会連続でクライアントのオリンピック出場に貢献する。
現在「平塚スポーツケアセンター」での活動を生業としつつ、
大学時代に描いたその夢を叶えながら、更に大幅修正を加え、現在に至る。
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